男性着物専門店・藤木屋で27歳男子が夏着物デビューしてみた!

藤木屋さんで男着物デビュー

着物デビューしてみたい男性にぴったり!
男着物専門店・藤木屋のお店来訪レポ&着物デビュー

お店の特徴

東京・上野にある着物専門店「藤木屋」。実はここ、男性用の着物を専門に扱う数少ないお店の一つで、夏になると浴衣を求める“ユカダン”(浴衣男子)たちが列をなすほどの人気店!

着物好きはもちろん、初心者にも人気というその秘密はこれ!

  • 誰でもサクッと着られる“お仕立て済み”のプレタポルテの着物を中心に取り扱っているので、初心者でも気軽に試せるカジュアルさ。
  • 種類も豊富でいろんな着物をチョイスできる楽しみだけじゃなく、イマドキのスタイリングがすぐにわかる安心感。
  • スタッフたちが洋服のように着物を普段着コーデするプロなので、相談したり提案をもらったりしやすい環境。

藤木屋は、映画やテレビなどで活躍する俳優たちとも仕事をしていて、エンターテインメント業界でのスタイリング実績が豊富。また、“男着物”のトレンドを作る店として着物ファンからの支持も厚いため、呉服メーカーにアイデアの提供を行うなど、着物業界全体の活性化を図るため、積極的な活動を続けています。

お店を開いた人

藤木屋幹助さん

藤木屋の代表取締役社長を務める藤木屋幹助さんは、メンズファッションに精通するプロ。もともとアパレルメーカーや百貨店で紳士服の販売をしてきた目利きです。現在は、着物のマナーについてはもちろんのこと、茶道を手習いするなど、ますます磨きをかけています。

そんな藤木屋さんが「藤木屋」を開いたきっかけは、ある思いがあったからだそうです。

「着物デビューという言葉があるけれど、男性と女性では事情が違うんです。女性よりも男性のほうが圧倒的に着る人の数が少ない。つまり、男性用の着物は女性用の着物よりも出回っている量が少ないということです」

すでにある中古の着物を利用するという手もありそうですが、それについても藤木屋さんは現状をこう話します。

「中古を利用しようと思っても難しいんですよね。男性のほうが力が強いからか、着物自体にかかる負荷が高いため、着物が破れやすいんです。さらに、平均身長がここ50年で約10cmも伸びていること、体格も良くなっているため、なかなか自分に合うものを見つけるのが難しい。いざ、新しいものを手に入れようとすると、着物を着る男性がとても少ないので、気軽に買えないと感じました」

それで、藤木屋さん自身が買いたくなるような、男着物の専門店を目指し、事業がスタート。着物初心者でも安心して、そして楽しんで立ち寄れるスポットとして注目され、すでに着物デビューした人だけでなく、着物入門に良い店としても話題に。クラシカルな着付けから、より自由でクリエイティブな“令和スタイル”な着物コーデを求めて藤木屋を訪れる人も多いそうです。

お店スタッフ

 藤木屋お店スタッフ

藤木屋お店スタッフ2 藤木屋お店スタッフ3

 

藤木屋で働く皆さんも、着物のことは何でも知っているのでとても頼りになる! 男着物をスタイリッシュに着こなすスタッフを見るだけでも、お店のファンが多く、支持が厚い理由がわかりそうですが、ささいな疑問にも細かく受け答えしてくれるので信頼感がわきます。スタッフは、まるで普段着のように着物を着て生活をするそうなので、着くずし方も粋でかっこいい! それぞれが“オレ流”なスタイルを持っているからこそ、いろいろと相談にのってもらいながら、自分にあった商品や着こなしを知ることができるのがうれしい。

どんな着物が買えるの?

藤木屋は東京都内でも最大級の品揃えを誇る男性用の着物・浴衣の専門店。最も多く取り揃えているのは、プレタポルテの着物や浴衣です。金額もお求めやすく、コスパがとてもいいので1枚だけじゃなく、これも、あれも、とついつい手が伸びます。

藤木屋店内の様子2

目を引くのは、小物の充実! 男の着物姿をグッと今っぽく見せてくれるアイテムの数々はワンランク上の着こなしをアシストしてくれること間違いなし!

藤木屋こだわりの小物

例えば、この帯。帯結びが苦手な人もカンタンに使える紐付きタイプですが、帯をひっくりかえして結べば、チラリ差し色。見た目がオシャレなだけじゃなく、帯を巻くときに重ね方を工夫すると、女性用にもなるというスグレモノ。3

藤木屋こだわりの小物

また、帯の代わりにベルトという変化球な着こなしも紹介。着物とベルトという斬新な組み合わせでエッジをきかせ、より個性的なイメージを楽しんじゃうのもアリよりのアリ。いや、かっこいいですよ、実際。

木屋こだわりの小物3

この足袋は、2015年のコンテスト「ベスト足袋ニスト 洋裁部門」で優秀賞を受賞した商品。表側じゃなくて裏側がおしゃれなデザインこそ、粋! 粋な男心をくすぐる足袋は、ひっくりかえして使っても楽しめるよう、基本4枚でいいコハゼ(足袋の留め金)を5枚にしたそうです。着物専門店として細部にまで気を配る藤木屋では、こだわり抜いたオーダーメード用の反物も販売しています。

藤木屋反物

そんな藤木屋がコロナの影響で緊急企画を開始!

2012年のオープン以来、発展し続けてきた藤木屋も2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、ピンチを迎えています。藤木屋の繁忙期は、7〜8月の浴衣シーズンですが、花火大会や夏祭りなどイベント関係も軒並み中止となってしまいました。実質、2月から続く非常に厳しい状況下ではありますが、藤木屋は「今だからこそできること」を考え、みんなで楽しめる企画として売り上げ公開に踏み切りました。

豊富な知識と経験、そして多彩な商品を取り揃える藤木屋。男性着物の魅力を積極的に発信し、伝統的な着こなしから発展的な着物スタイルまで幅広く提案してきた藤木屋だからこそ、ここで終わりにしたくない。未来に向かって、歩みを止めずに進んでほしい。

藤木屋で着物デビューするなら今がチャンス!

例年、夏が繁忙期の藤木屋は大混雑しているので、のんびり買い物ができない状況。しかし、ピンチはチャンス! 今年はじっくり見て回りながら買い物ができる願ってもない機会かもしれません。しかも、最近の男性用の浴衣は、着物としても使えるマルチ仕様なものもあるそう。晴雨兼用の傘みたい、両方カバーできるって便利じゃない?

日常的に着られるおしゃれアイテムとして浴衣も人気と聞いたら、なんだか試したくなってきてしまった男がひとり。

夏着物デビューしたい男子・駒ちゃん・27

着物男子になりたい駒ちゃん

それは、弊社メンバーの駒ちゃん、27歳。「母が着物の着付け講師をしている」という駒ちゃんにとって、着物は珍しくないものだったそうですが、自分で着る機会はありませんでした。着物に興味はあるものの、男着物についてはわからないことだらけ、夏着物も未体験だったので、相談がてら藤木屋さんへ出向いてきましたよ!

かっこよく着こなしたい!今回は、特別に藤木屋さんが直々にスタイリングについてくれることになりました。なんとも心強い! 駒ちゃん、しっかり覚えてね。

夏着物ってなんですか? 浴衣とは違う?

藤木屋さんに相談する駒ちゃん

駒ちゃん:早速ですが、ちょっと混乱しています。夏着物と浴衣って違うんですか?

藤木屋さん:「浴衣」はもともとバスローブのようなもの、部屋着なんですね。それが、外にも着ていくもの、それも普段着のようにカジュアルに着られるものとして色柄や用途が変化しました。

駒ちゃん:夏に着る着物=浴衣として定着したんですか? つまり夏着物ってこと?

藤木屋さん:一般的に男性用の着物は、無地や無地に見えるようなデザインが多いんですが、浴衣は派手な柄ものが主流でした。浴衣は着やすいので、着物デビューを浴衣で飾る人も多いのですが、浴衣のデザインに抵抗があるという方もいらして、私自身もお客様から「着物と変わらないような、落ち着いた色柄の浴衣が欲しい」というリクエストをいただくことが多かったんです。そこで、メーカーと一緒に無地の浴衣など、従来の浴衣とはイメージを変えた「夏着物」を作りました。

駒ちゃん:なるほど。流行を仕掛けたのが藤木屋なんですね! まだよくわからないんですけど、着物の夏物と浴衣の決定的な違いはなんでしょう?

藤木屋さん:それが、正直、現在では夏着物と浴衣に大きな差はありませんね。着付けのときに長襦袢(着物用の下着)を着て襟を出すスタイルだと“着物”、素肌の上から直接着れば“浴衣”らしく見えますので。フォーマルな場所でない限り、あまり気にせずに着物としても浴衣としてもガンガン使っていただいて問題ないですよ。男性着物の世界は寛容なので(笑)。

駒ちゃん:なんと! 夏着物なハードルが高く、高価な印象がありましたが、「浴衣+α」な感覚でデビューしてしまってもいいのですね!! なんだか、気持ちが軽くなりました。

試着! どんな色がオススメ?

藤木屋さん:まずは色から選んでみましょうか? 男性の無地の浴衣、定番は白か黒なんです。でも、紺色はアジア人にフィットしやすい色ですし、お似合いだと思うので、まずは紺から試してみましょう。

藤木屋さんで男着物の試着

着付けも教えていただきながら試着!

着付けも教えていただきながら試着

駒ちゃん:あれ、いきなりシックに決まりましたね。大人っぽい! 夏着物の定番スタイルはこれでバッチリですね!

藤木屋流、ワンランク上の浴衣の重ね着

藤木屋さん:この中に襟付きのTシャツを着れば、一気に着物らしくなります。定番っぽく見せるなら、これでOK。

駒ちゃん:襟付きのTシャツですか? 面白い!

藤木屋さん:でも、せっかくだから今年はハデハデな浴衣を襦袢として使うのがオススメです。ちょっとやってみましょう。

ハデハデ男浴衣を試着

駒ちゃん:結構ハデですね(笑)。

藤木屋さん:もちろん、このハデな浴衣一枚で着てもいいですが、さっきの紺色の浴衣を重ねてみましょうか。

藤木屋重ね着の技!

駒ちゃん:夏着物風の着こなしですね!

藤木屋大胆な重ね着

藤木屋さん:もともと男物の襦袢は、ハデな柄でチラ見せを楽しんでいました。これは襦袢ではなく浴衣ですが、こんな風に襦袢がわりに着て、襟元や裾からこのハデな浴衣をのぞかせるだけで、おしゃれ上級者に見えますよ。さらに最近はもっと大胆に、裾を上げて下に着た浴衣を見せちゃうっていうのもアリです。

藤木屋大胆に裾をからげて楽しむ

駒ちゃん:大胆ですね!! ハデな浴衣とシック浴衣の重ね着で着物ライクになるスタイル、すごく気に入りました。

おしゃれは小物づかいが決め手だ!

小物を上手に使える人こそがおしゃれ。藤木屋さんが駒ちゃんにすすめたのは、シックな風合いの赤い帯。

「男性用着物はだいたい無彩色なんです。そこでいわゆる定番の茶や白、黒の帯を合わせると、もちろん定番の良さはあるものの、ちょっと面白味に欠けます。そこで便利なのが赤い帯」

赤の角帯

藤木屋さん曰く、男性用の赤い帯は普通の呉服店ではあまり置いていないのだとか。無地でシックな色が多い男性用の着物には、赤がとてもよく映える。藤木屋さんは「赤い帯はオールマイティでコスパが最強なんですよ!」と言い、藤木屋には様々なタイプの赤い帯を並べているそう。

着物姿の駒ちゃん、藤木屋さんでも人気の商品の紐付き角帯を装着。なるほど! いわゆる男性着物でも、赤い帯が入るだけで一味違った印象になりますね。うん、かっこいい!

紐付き角帯レッドを締めたところ

「もう一つ小物にこだわるなら、色足袋はいかがでしょう? この足袋は、『ベスト足袋ニスト』で優秀賞をいただいたんですよ。裏がハデな色柄で、5枚コハゼ仕様なんです。今回の着物に合わせて紺の足袋にしてみましょうか?」

藤木屋こだわりの足袋

出来上がりとお値段

 藤木屋さんで夏着物デビューした駒ちゃん

 

紺無地楊柳浴衣:14,000円

北斎浮世絵浴衣:11,000円

紐付き角帯レッド:11,000円

裏までおしゃれ足袋:4,950円

合計金額:40,950円

スタイリッシュな夏着物男子へ変貌を遂げた駒ちゃん! いかがでしょうか? 浴衣を重ねて着る“重ね着パターン”もよし、さらりと1枚で楽しむパターンもよし、3種類の着こなしができるから、2枚で3倍オイシイ!! しかも、夏だけじゃなく秋まで長く着られそうな重ね着コーデは、いろんなアレンジが楽しめそうでワクワク。

コスパ抜群、大満足のお買い物となりましたね、駒ちゃん。感想は?

藤木屋さんと笑顔の駒ちゃん

「男性着物にはみんな寛容みたいだから、一歩踏み出せれば、あとは自然とハマっていくのみかな(笑)。とにかく自由に! 自分らしく、どんどん夏着物を着ていきたいです! 迷ったら、最初はスタイリングしてもらうのがオススメ。一人ではここまでかっこよく着れなかったと思うし、満足度も違ったかも(笑)。夏物の着物がなかったので、今日のコーデでようやく着物男子を気取れます!」

 

お店の概要

藤木屋看板

「男着物&メンズ浴衣専門店『藤木屋』」

URL:https://www.fujikiya-kimono.com/

東京都台東区東上野5-5-9

TEL 03-5830-6355

営業時間 11:00-19:00

*JR上野駅 入谷口 徒歩6分

*東京メトロ銀座線 稲荷町駅 徒歩3分